ほほーんと暮らしたい(再)

いつのまにか、言葉が出せなくなっている自分に気づきました。自分の中を整理するために、自分のLead the Selfを保つために、思ったことを自由に書きたいと思います。最近は私の体調(うつ病)や難病(ファブリ―病、大腿骨骨頭壊死)の夫との近況についてがほとんどです。

人生はひとつ でも一度じゃない 2021.2.16

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本日も終日リモートデイ。
今日は昨日とは違うお仕事ですが。
今日は妙に仕事がはかどってしまい、
予定していた仕事もすぐ終わってしまって、仕事を探しました。
ちょっと空いた時間って、大きなことをやり始めると墓穴を掘るし(笑)
今日はいいような悪いような、でしたが
その分いろいろ見返したり、手順書に手を入れたり、
充実はしていたのかもしれません。
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昨夜はちょっと時間があったので、録画していた番組をみた。
チューリップの財津和夫さんの3年間のドキュメンタリー。
ザ・ヒューマン 人生はひとつ でも一度じゃない〜財津和夫〜」

先日、チューリップの97年の再結成コンサートを見て、
懐かしく心を動かされていた。

miww55.hatenablog.com

が、今回の番組はテイストが違う。
あの華やかな時代を作っていたあの財津さんが、
自らの老いや病気に苦悩される様子が結構ありのままな感じで紹介されていて、
二つの気持ちが湧く。
ひとつは、財津さんも人の子なんだなという、ちょっとほっとしたような、
もうひとつは、あのキラキラしていた財津さんが!というショックな思い。

財津さんも72歳。
がんがみつかってツアーや講演会が中止になったのは知っていた。
当時行きたくてチケットが取れないかを模索していた時だったから。
番組によると、それ以前にも更年期障害で苦しまれていたそうだ。

引退も考え、福岡に帰ってくる頻度も増えたと言われていた。
あのバイタリティのある財津さんが、と驚きながらみていた。
私の中で財津さんは、老いも病気も受け止めてひょうひょうと生きていくのだろう、
なぜか勝手にそう思っていたが、「今日から僕はただの男♪」の歌詞通り、
当たり前ではあるが普通の人なのだ。彼も。
弱音も吐くし、悩み落ち込む。
昔のVを見ては「あんなに声が出ていたのに」と思う。

そんな中、福岡の某ホテルからの企画で「一般の人向けの作詞講座」をやってみませんかという話が来る。
「福岡に帰る口実ができる」くらいに気軽に引き受けたらしいが、
それが転機となったという。
受講者の方々が、身近なことを詩にされる様子をみながら、
言葉の力というものを改めて考えさせられたというのだ。
受講者の方々の詞には「自分を励まそうという詞が多い」ということに気づく財津さん。
受講者の中で大阪から通っている方は、ご自身が脳の病気を患ってらっしゃる。
彼女の素直で、必死な叫びのような財津さんへの質問。
それに対する財津さんの答え。
彼女はすんなり「そうか」と思い、それから実践するようになる。
そして、彼女自身に変化があった。
彼女が創る詞にもその変化が表れていた。

彼女との関わりだけではないのだろうが、
財津さんは「自分も自分を鼓舞する歌詞を作ってみよう」と決意する。

10年ぶりの新作。
今の自分に歌える歌。人生最後のチャレンジになるかもしれないとも言う。

確かに財津さんはメロディーメーカーとして知られてきた。

チューリップだけでなくご自身のソロや多くの歌手への楽曲提供もしてきている。
とはいえ、詩作も数多くされてきているはずだった。

彼は先にメロディを作り、そこに詩をはめていくことをずっとやってきた。
実際今回先に詩を作る作業をしながら、
「自分は言葉をないがしろにしてきた」的なことを言われていた。
この年になり、この段になったからわかることがあるのだろう。

詞作においては、最後まで悩んでいたという。
同じ言葉を繰り返すのか、
同じような言葉を少しずつ変化を加えていくのか。

悩んだ末に、彼は同じ言葉を繰り返すことを決意した。
「大丈夫、大丈夫、すべてうまくゆく」
短い言葉を繰り返す。呪文のようだと語る。

ちなみに、「大丈夫」という言葉は、
彼ががんと闘い、落ち着いたころ「大丈夫だった」という言葉を感じたのだそう。
うろ覚えだけどそんなニュアンスだったと思う。

自分から出てきた言葉で、詞を固めていく。
これは彼自身へのメッセージでもあり、
伝えたい私たちへのメッセージでもあるのだろう。
一瞬きれいごとに聞こえる詞が、
その背景を知ると腑に落ちる。

私はこのシーンでなぜかチューリップの「魔法の黄色い靴」を思い出した。
呪文のような言葉は、「魔法」でもあるのだとなんとなく思う。
チューリップや財津さんの曲は「君」に対して語り掛けるものが多いが、
その君を今度は「自分」にして、頑張ってほしい。
チャレンジを私たちに見せ続けていってほしい。
そして私たち自身も、自分に魔法をかけることはできるのだと思った。
若い自分に戻る魔法や呪文なんてない。
でも自分を支え続ける呪文はあるのだ。それが魔法ともいえるのではないかと思った。

言葉にできない思いが、体の中をぐるぐるとまわる。
そんな番組だった。

日々を、鼓舞までとはいかなくとも、
少しずつでも自分に対して声をかけ続ける。
その大切さは、この頃とても感じる。

番組を見ながら、私も財津さんと同世代のような感覚に陥ってしまったが、
いやいや私はまだ50代なのだと思い返す。
勝手に共感して老けてはいけない💦

人それぞれの頑張り方や踏ん張り方があるのだと思う。
私はどうこれからを切り返していこうか。